ファザーリング・ジャパンにいがたパパコラム
「笑うパパノートVol.6」
~「ママ」の反対は「パパ」、では「マタニティー」の反対は?~
「マタニティー」って言葉があります。英語の"maternity(母性)"から派生した外来語、元々はラテン語が源です。「マタニティードレス」「マタニティーグッズ」と表現を聞いた事がない方はいないでしょう。
「マタニティーブルー」なんていう言葉もありますよね。
けれど「マタニティー」の逆の言葉ってどのくらいの方がご存知でしょうか。「マタニティー」の反意語は「パタニティー」です。勘のいい方は「ママ」「パパ」に関連している言葉だと分かるでしょう。
イギリスの政治家トニーブレアがかつて首相在任時にとった"paternity leave"、「男性の産休」は多くのイギリス人に理解され支持されました。
「父性」と「母性」どちらの言葉も一般的な欧米と「マタニティー」だけが広く知られている日本。この辺に日本社会の問題の一因が現れているような気がします。
昨年10月に世界経済フォーラムが発表した男女平等ランキング。日本は前年から4つ順位を落とし、136カ国中105位になりました。政治、経済の分野に女性の進出が極端に少ないのがランクを落とした理由らしいです。
先日テレビで報じていた経済団体の新年会。ほとんどの参加者が画面を通して加齢臭が伝わってくるようなオジさんでした。
そのニュースを見ながら考えました。「男女不平等の主要原因は男性側にあるのか、それとも女性側にあるのか。」って。男性が女性に社会進出させないのが主な理由なのか、それとも女性がそもそも一歩引いてしまうのか。
先月95歳で亡くなった南アフリカ初の黒人大統領ネルソンマンデラさん。生前アメリカCNNのインタビューでこんな事をおっしゃっていました。「アパルトヘイト(人種隔離政策)が成功した最大の理由は、自分たちは白人よりも能力的に劣っているという意識を黒人自身に植え付けたことだ。」。「黒人だから」っていう理由だけで疑問もなく妙に納得して差別を受け入れてしまう社会のシステム、男女共同参画っていう観点において日本にも共通しているところがあるんじゃないかなんて思いました。
「お前は長男だから、、。」「あなたは女なんだから、、。」社会が変化しているとはいえ、こんな言い方で子供のうちから意識に刷り込む日本社会の慣習やシステムに男女不平等の理由の一端を見るとしたら、それをなくすのにどれだけの時間がかかるでしょうか。
マンデラさんは大統領就任後、黒人と白人が対立するのではなく融合する政策をとりました。様々な色が織りなす「レインボーネーション(虹の国)」の設立が彼の夢でした。
われわれ現役世代の父親は「パタニテイー」という言葉を広めるために何をすればいいでんしょうかね。いろんな方の努力の結果、日本で男女平等社会が実現したとしたら空に浮かぶのはどんな色の「虹」なんでしょうかね。
ファザーリングジャパンにいがた 理事
渡辺 聖
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